双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
凛太郎の家を後にして、俺は学校に向かった。
「月那」
「……おはよう」
学校に着けば、もう既に月那は席に座って本を読んでいた。
なずなはお手洗いにでも行ったのか、ここにはいない。
いつもより早く来たのもあって、教室には月那と俺しかいなかった。
「俺は……間違えた。だから父さんをあんな目に遭わせた」
「……うん」
「だから、次は全部守れるように強くなる。
父さん、月那……エレナを守れるように」
月那は目を見開いた後、花が咲く笑顔を向けた。
……月那のこと、ちゃんと見れてなかったのは俺の方だな。
「俺の大切な人を守るために捜査協力者になった」
──そのために生き続ける。
「……ごめん。こないだは厳しい言葉言って。
朔夜がそう言ってくれて安心した」
「俺もごめん」