双星の煌めきは月夜に魅せられて






凛太郎の家を後にして、俺は学校に向かった。



「月那」


「……おはよう」



学校に着けば、もう既に月那は席に座って本を読んでいた。


なずなはお手洗いにでも行ったのか、ここにはいない。


いつもより早く来たのもあって、教室には月那と俺しかいなかった。



「俺は……間違えた。だから父さんをあんな目に遭わせた」


「……うん」


「だから、次は全部守れるように強くなる。
父さん、月那……エレナを守れるように」



月那は目を見開いた後、花が咲く笑顔を向けた。


……月那のこと、ちゃんと見れてなかったのは俺の方だな。



「俺の大切な人を守るために捜査協力者になった」


──そのために生き続ける。



「……ごめん。こないだは厳しい言葉言って。
朔夜がそう言ってくれて安心した」


「俺もごめん」

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