双星の煌めきは月夜に魅せられて

月那は首を横に振って、喧嘩は一件落着した。



「朔夜。私に気を遣わないで、エレナと仲良くしなよ」


「え?」


「朔夜は何も悪くないんだから……まあ、エレナを責めたい気持ちはあるんだけど」



口を尖らせる月那はまるで拗ねる子どものようで。


どこか微笑ましい気持ちになって、思わず口角をあげた。



「優生の方は私に任せて」


「随分と頼もしいな……」


「勝算はないけど、優生の気持ちが私に傾いたら……ちょっとは良い方向に進むでしょ?」



にししと笑う月那は本当に頼もしくて、妹の恋が実ってほしいと思わずにはいられない。



「でも、私はまだエレナを完全に信じてないの。エレナにはちゃんとけじめつけてほしいんだから」


「それに関しては本当にごめん……」


「ううん。それにしても、朔夜がそこまで感情的になるなんて初めて見た気がする。相当本気なんだね」


「……ああ」



兄妹の絆を今一度確認できたようで嬉しくなったが、その15日後のことだった。
< 252 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop