双星の煌めきは月夜に魅せられて
月那は首を横に振って、喧嘩は一件落着した。
「朔夜。私に気を遣わないで、エレナと仲良くしなよ」
「え?」
「朔夜は何も悪くないんだから……まあ、エレナを責めたい気持ちはあるんだけど」
口を尖らせる月那はまるで拗ねる子どものようで。
どこか微笑ましい気持ちになって、思わず口角をあげた。
「優生の方は私に任せて」
「随分と頼もしいな……」
「勝算はないけど、優生の気持ちが私に傾いたら……ちょっとは良い方向に進むでしょ?」
にししと笑う月那は本当に頼もしくて、妹の恋が実ってほしいと思わずにはいられない。
「でも、私はまだエレナを完全に信じてないの。エレナにはちゃんとけじめつけてほしいんだから」
「それに関しては本当にごめん……」
「ううん。それにしても、朔夜がそこまで感情的になるなんて初めて見た気がする。相当本気なんだね」
「……ああ」
兄妹の絆を今一度確認できたようで嬉しくなったが、その15日後のことだった。