双星の煌めきは月夜に魅せられて
「ごめんね、朔夜の話は後に回すね。ちょっと話したいことがたくさんありすぎて、どこから話せばいいのか正直分からないのよ」
「……さっき、私達の正体からって言ってたじゃん?ツキとサクはなんか隠してるの?」
光希が不思議そうに、不安そうに、色々感情を込めながら聞いてきた。
「じゃあ、そこから行くね。私達の父は警察官なの。
そこからある頼みごとをされて、ここに来たの」
「頼みごと?サツが子どもに情報をこぼす訳……って、まさか!」
「流石だね、総長。多分合ってるよ」
ネタバラシをしてもらおうと、朔夜に目で合図を送れば、朔夜は頷いてから優生達を見た。
「俺達は、月夜だ」
「「月夜!?」」
光希と凛太郎が大きな声で反応する。
月夜の知名度は割と高いわね、やっぱり。
「……道理で朔夜は喧嘩が強くて、月那は異常なくらい頭が良かったんだな」
総長なりに思う節があったようだ、まあそこはお見事ということで話を進めよう。
「私達は今回、パ……お父さんにここに潜入するように頼まれたの。ねえ、千尋。話して貰ってもいい?」
千尋はニコニコしながら頷いたが、周りの人達は千尋の出番に皆目見当がつかないようだった。