双星の煌めきは月夜に魅せられて
「千尋は知ってたのか?」
「うん、まあ成り行きでね。月那ちゃんと朔夜くんの協力をしてたんだ」
優生に軽く返せば、千尋はニコニコ笑顔から一転、熱のこもった真剣な表情になった。
「ん、待てよ。サツの頼みってことは、まさかこん中に逮捕しなちゃなんねー奴がいるってことか?」
「まあ、この中ではないけど、いるわね」
エレナはここにはいないし、エレナが逮捕されたって話すのは控えたい。
だけど、それじゃダメなんだ。
優生が壊れてしまいそうだけど、それでもいつかはぶつからなきゃいけない壁。
今話しても、後で話しても、変わらないだろう。
それに優生は強いんだ、大人しく守られるヤワな人じゃない。
だから、隠してたことも謝罪して全部話そう。
「……それは、誰なんだ?」
「腹をくくったら、話すよ。皆、いい?」
千尋にも話してもらおう。
皆は先程の千尋のような顔つきで頷いた。