双星の煌めきは月夜に魅せられて
夜が現れる
<朔夜side>
「朔夜!」
「……ドア、ノックしてよ」
ノックせずに勢いよく入ってきた俺の双子の妹。
だけど、いくら言っても聞かないので、俺が慣れるしかない。
「今回は何するの?」
俺の経験上、月那が勢いよく入る時は大抵、月夜として何か動く時だ。
「よーく聞いて!桜蘭潰せる!」
「まじで?」
なずなの敵討ちできるのか……!?
さすが、今回も月那の作戦を忠実に実行すれば成功する。
月那の頭脳だったら、俺は全面的に信用できる。
「今回も月夜としてなんだけど、少しいつもと違うから」
そう前置きして告げられたのは、とんでもないことだった。