双星の煌めきは月夜に魅せられて






『月那ちゃん、大変なことが起きた』


「え?」



その2日後のことだった。


明日に谷口組がやってくるという話を聞いたのに、千尋からの電話の内容は予想外のことだった。



『今、アイツが桜蘭に向かってる……!』


「明日なんじゃなかったの!?」


『胡桃が捕まったことがアイツにバレて、めっちゃ怒ってるんだ。だから怒りを桜蘭にぶつけようとしてる』


「わかった、今すぐ向かう!」



千尋の返事を聞くことなく素早く電話を切った。


近くにいた朔夜は尋常じゃない私の態度を見て、目つきが変わった。



「月那」


「うん、行こう」



パパへの連絡は移動中に済ませて、私達は至急桜蘭の倉庫へ向かった。

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