双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
『月那ちゃん、大変なことが起きた』
「え?」
その2日後のことだった。
明日に谷口組がやってくるという話を聞いたのに、千尋からの電話の内容は予想外のことだった。
『今、アイツが桜蘭に向かってる……!』
「明日なんじゃなかったの!?」
『胡桃が捕まったことがアイツにバレて、めっちゃ怒ってるんだ。だから怒りを桜蘭にぶつけようとしてる』
「わかった、今すぐ向かう!」
千尋の返事を聞くことなく素早く電話を切った。
近くにいた朔夜は尋常じゃない私の態度を見て、目つきが変わった。
「月那」
「うん、行こう」
パパへの連絡は移動中に済ませて、私達は至急桜蘭の倉庫へ向かった。