双星の煌めきは月夜に魅せられて
「月那ちゃん、朔夜くん!」
緊張感漂う幹部室に入った私達に声をかけたのは千尋だった。
急にも関わらず、幹部全員が腰掛けていた。
幹部室の外で、桜蘭全員が待機していた。
「……そろそろ、アイツが着く頃だ。月那、朔夜……月夜もいいか?」
「「いつでもかかってこい!」」
「ふっ、大丈夫そうだな」
息ぴったりの私達に満足気に涼しく笑う優生。
今の顔は桜蘭の総長にふさわしい微笑みだった。
「優生さん!!そろそろやって来ます!」
すると、扉が乱暴に開く音とともに、優生を呼ぶ声が響いた。
「月那。俺、いつものように行くわ」
「……油断しないようにね。相手は何持ってるかわからないから」
「当たり前」
月夜の時に着てるパーカーのフードを深く被り、挑発するような笑みを浮かべた朔夜。