双星の煌めきは月夜に魅せられて
桜蘭の倉庫に向かってるってどういうことだろう。
確かに改めて考えてみると、何か変だ。だが、その違和感に関して心当たりがあった。
「そこは盲点だったわ。でも私も気になったことがあるの」
「気になったこと?」
「ええ、傘下にしたい対象がなぜ桜蘭なんだろうって」
「それは言われてなかったな」
千尋もそこは分からないようだ。
そこはどうとでもなる。それより、私達は目的を果たさなければならない。
「それより、逮捕すんぞ」
「「おう!!」」
総長の力強い発言で、不安の色が吹き飛んだ。
その勢いで、幹部室から出て、倉庫の出入り口で構える。
そこには大勢の桜蘭の人達……きっと50人ぐらいしかいないけど、これが総動員なんだろうな。
やがて、
「──へえ、こうなったんだ」
写真で何度も見た、私達の本当の目的となる相手が現れた。