双星の煌めきは月夜に魅せられて

朔夜は何か思い見たのか、優生と凛太郎を心配そうに見つめた。


私が理解できないってどういうこと……?


猿も木から落ちるという言葉はあるけど、今そんなことが起きていい場合ではない。


必死に頭の中を巡らせる。



朔夜がなぜ理解できたか、それは私が知らないところで何かを聞いたから。


それを私に報告しなかったのは、そこまで重要じゃないと朔夜は判断したのだろう。



どうしてふたりが戸惑っているのか、それは私が三村の写真を見せなかったから。


見せたらあらかじめ耐性がつくはずだから、そこは私の不備だった。



そして、なんで三村は倉庫の場所が分かったのか。


一度ここに来たことあるか、千尋がバラしたかの2択に迫る。


でも、あの千尋の表情はとてもバラしたようには見えない。


となると前者が妥当になるが、どうしてここに訪れたのか。



私は倉庫を改めて見渡す。



「……っ!」


「なんか言ってくださいよ……初代!」



まさか、と思った時にはもう答えを言われてしまった。
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