双星の煌めきは月夜に魅せられて

凛太郎は悔しそうに唇を引き結ぶ。


優生も顔を背けながらも、凛太郎と同じ表情だった。



「初代……」



初代……桜蘭を作った張本人。


まさか、こんなところで繋がりがあったなんて、あって欲しくなかった。


だって、優生と凛太郎が心から尊敬している人でもあるんだから。


──心から逮捕したいと思えなくなってるはず。



「これが桜蘭の総動員?」


「……はい」


「そっか。俺の教え通りにしてくれてありがてーわ。
おかげさまでここ乗っ取りやすくなった」



高飛車な態度の三村が見るのは、他の暴走族と比べたら圧倒的に少ない桜蘭の全メンバー。


これも彼の策だったというのか……っ


戦ってもいないのに負けた気分になって、自分に怒りが湧いてくる。



「おめーら、はよ来いよ!!」



そして、三村が呼んだ先にはこちらよりも格段に多い谷口組のヤクザ達。
< 286 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop