双星の煌めきは月夜に魅せられて
凛太郎は悔しそうに唇を引き結ぶ。
優生も顔を背けながらも、凛太郎と同じ表情だった。
「初代……」
初代……桜蘭を作った張本人。
まさか、こんなところで繋がりがあったなんて、あって欲しくなかった。
だって、優生と凛太郎が心から尊敬している人でもあるんだから。
──心から逮捕したいと思えなくなってるはず。
「これが桜蘭の総動員?」
「……はい」
「そっか。俺の教え通りにしてくれてありがてーわ。
おかげさまでここ乗っ取りやすくなった」
高飛車な態度の三村が見るのは、他の暴走族と比べたら圧倒的に少ない桜蘭の全メンバー。
これも彼の策だったというのか……っ
戦ってもいないのに負けた気分になって、自分に怒りが湧いてくる。
「おめーら、はよ来いよ!!」
そして、三村が呼んだ先にはこちらよりも格段に多い谷口組のヤクザ達。