双星の煌めきは月夜に魅せられて
「……っ」
桜蘭とは倍以上の人数。
私達が負けちゃうんじゃないのかと、現実を見る私は否定的なことばかり考えてしまう。
今は怯んでる場合じゃない、どうして私は怖いと感じているんだろう。
なずなと一緒に拉致られた時は不安なんか感じなかったのに、どうして今……。
「ツキ、大丈夫。僕達がいるから」
「光希……っ」
「ツキとエレナを傷つけるんだったら、優生と凛太郎の恩人とか桜蘭の初代とかどうでもいい。全力で……潰すまでだよ」
「ありがとう……後はよろしくお願いします」
「ふっ……はい、任せてください」
敬語で言えば、敬語で返ってくる。
とても悠々としている時ではないのに、それがどうしても安心してしまう。
「三村さん、もうやっちゃっていいっすか?
こんな若え奴殴っていいとか楽しみなんすけど」
「ああ、好きにしな」
その声を合図に私と朔夜の最期の戦いが始まった。