双星の煌めきは月夜に魅せられて

そのクスリを飲んだってことは、他の人も飲んだんじゃ……!?


慌てて目を凝らしながら敵を窺えば、やはり予想通りどこか興奮している様子が見受けられた。


少し冷静に物事を考えたおかげで恐怖心が消えていった。



「……」



この様子だとまだ禁断症状は出てないみたいだから、後数時間すればきっと格段に衰弱するはず。


だけど、そこまで体力が続くかが課題になってくる。


三村が怖いのは後少しの間だけ。


それに、朔夜だって、桜蘭だって、パパ達だっているんだ。


きっと、誰かが三村を捕まえてくれる。



「オメーは普通の女の子じゃねーな。いいね、気に入った」


「それは嬉しいわ。でも残念ながら……」



「あなたの敵なんでね」と言い放ちながら、男性の弱点を狙い、全ての力を振り絞って蹴り上げた。



「いっ!?」


「パパ!早く逮捕して!」



効果は抜群のようで、三村はすぐにしゃがみ込んでしまったようだ。


その隙に、私はうずくまる三村から素早く離れて、大声で叫んだ。

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