双星の煌めきは月夜に魅せられて
パパは谷口組の下っ端を何人か手錠にかけた後、すぐこちらへやってきた。
しかし、その頃には既に三村も立ち直ってしまった。
「てめえ……よくも!」
「……!」
三村が勢い余って殴りかかるのを、私はドッジボールの時に逃げるのように、右に走った。
か、間一髪だった……これが当たったら、無事に帰れないよ。
その安心が禁物だった。
突然、後ろから二人掛かりで腕を抑えられ、身動きがまともに出来なくなってしまった。
いつのまに……っ
「さすがは俺の優秀な駒だわ。こいつは胡桃にいけないことをした人だからな、容赦なくやっていいよ」
三村はこちらが嫌になるくらい痛快に笑い、ポケットからいくつかの錠剤を取り出した。
……これは、モトだ。
それはつい最近、写真で何度かみたものだったので、記憶が新鮮なままだった。
私の腕を掴んでる手下は、モトを見て生気が戻ったかのように、ハキハキと返事をした。
私、一体何されるの……?