双星の煌めきは月夜に魅せられて
「……っ」
直後、背中から強い衝撃が襲いかかった。
痛いを優に超えているのに、痛いとしか出てこない。
倒れるはずなのに、まだ抑えられているせいで倒れることができない。
「月那……!」
パパの声を聞きながら、私は何度も痛みに耐える。
頭脳が取り柄の私に思考を奪う時間でもあった。
やがて何もしない私に飽きたのか、私は解放された。
私は立つこともできずに倒れてしまった。
「月那!!」
血相を変えて、私のそばに来た朔夜。
パパは三村と向かいあってたのは見えたけど、どんな会話なのか流石に聞き取れる余裕はないみたい。
「さく、や……だいじょ、ぶよ……」
痛くて上手く喋れないな、これじゃ朔夜に心配かけちゃうじゃない。
もう朔夜ったら、泣きそうな顔しないでよ、死ぬわけじゃないんだから。