双星の煌めきは月夜に魅せられて

「ほかの、ひと……ゴホッ、ゴホッ」


「無理して喋んな!桜蘭はみんな無事だし、警察とマトリが逮捕してくれてるから」



よかった、順調そうなのかな。


私がこんな目に遭うし、色々やらかしたり、ミスをしたりしてるから。


私が足引っ張っちゃったらどうしようって思ってたから、尚更。



「三村さん、ください。アレください!」


「ほら、飲めよ」



朔夜は私から先ほどの手下二人に視線を変えた。


その瞳から激しい怒りが伝わる。



「……ちょっと行ってくるわ」



気をつけて、と言いたかったが声にできなかった。


ただ目を開いたまま、朔夜を見守ることしかできない自分が無力で悔しかった。



朔夜は無言で、何も言わずに、手下二人に立ち向かった。


そして1対2だというのに、朔夜が一気に優勢へとなり、あっという間に二人を取り押さえた。


すぐに朔夜の近くのマトリの方が手錠をつけて、連行しに行った。
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