双星の煌めきは月夜に魅せられて
パパに合わせて、周りも銃を取り出した。
「ここにいる人は皆、覚悟してるんだ。
大事なものに向き合う覚悟をな」
ガシャ
静かな空間に手錠のかける音が響く。
それは三村の背後からだった。
「──初代」
「優生……」
「エ……三村胡桃を産んでくれてありがたいけど、もうこれ以上大事なものを傷つけないでください」
手錠をかける千尋の隣にいる優生の言葉は、意外にも優しい声だった。
けど、だからこそ切実な願いのようにも聞こえる。
「初代が敵とか今でも信じらんねーけどよ。けど、ここにいる全員を巻き込んだのは許さねー」
「……僕は組じゃない、かけがえのない仲間を見つけたんだ。ここにいて後悔してないから……とことん牢屋で懺悔してください」
千尋の両隣に優生と凛太郎が。
そして、さらに少し離れたところに光希と朔夜が静かに仲間達を見ていた。
「銃刀法違反、覚醒剤所持、暴行の容疑で逮捕する」
終着地点を眺めてから、私はそっと意識を手放した。