双星の煌めきは月夜に魅せられて

その後に桜蘭が解散してしまったことも、谷口組の次の組長は千尋になったことも朔夜から一通り聞いた。


なお、千尋はその時はまだ未成年なので組長(仮)ということにして、成人した際に正式な組長になるようだ。


とりあえず私が起きるまで待っててほしかった、と文句を言いたくて仕方なかった。


まあ、3年前のことに今更思い出して後悔しても仕方のないことなのだけれど。



「……じゃあ、千尋は今年で(仮)が取れるのね」


「そうだな。あれから嘘みてーに谷口組の評判が良くなったよな」


「暴力団に評判とかあるんだ……確かに悪い噂はほとんどなくなったよね」



あははと苦笑いをこぼして、最後の一口を入れて昼食は完食した。


凛太郎も既に完食していたので、待たせてしまった。



「ご馳走さま!おまたせしました!」


「おうよ、じゃ払ってくるわ」


「あ、ありがと……」



誰かに奢ってもらうのはなんだか申し訳ないけど、変に断るのもアレだと思い、お言葉に甘えることにした。


そして、凛太郎は昼休みが終わる時間に近づいたので会社に戻って午後もお仕事。


私は先程も言った通り、なずなと胡桃と遊ぶに行く。
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