双星の煌めきは月夜に魅せられて
そんな胡桃はつい先日、朔夜からプロポーズされたのだ。
朔夜が婚約指輪を買って、手のひらサイズの小さな花束を大事に包むんだもの。
恥ずかしそうにしている朔夜を見て、こっちまで恥ずかしくなったわ。
「え、なになに?胡桃ちゃん、朔夜くんと進展あったの?」
「なずな、胡桃の指を見なよ」
「……ふぉおおおお!」
なんだか変わった悲鳴が聞こえたんだけど、なずなだから可愛いしか生まれてこない。
それだけ興奮したんだな、可愛い奴め。
「じゃあ、もう結婚したの?」
「ううん、本物は今度贈るから今はこれで我慢してだって」
「流石だね、カッコいいね……!私も朔夜くんみたいなカッコいい恋人欲しいなあ……」
「朔夜はあげないし、なずなは千尋がいるでしょ」
胡桃は頰を膨らませて、牽制してる。朔夜は幸せ者だな。
朔夜と胡桃のカップルは3年見てきたけど、倦怠期は未だに来てない、というか想像できない。
お互いがベタ惚れなのだ、幸せオーラを撒き散らせて本当に羨ましい。