双星の煌めきは月夜に魅せられて
「はーい、カフェオレです」
「ありがとう、光希」
そこで光希は私にカフェオレをテーブルに置く。
なずなと胡桃は意外なことに甘いのは苦手なようで、いつもここに来るとブラックコーヒーとランチメニューしか頼まないのだ。
「月那が頼むのは言われなくても分かるんだ」
「ツキの好みを把握するのは当たり前でしょ。好きなんだから」
「ちょっと光希……!」
胡桃のからかいに光希は心臓に悪い言葉で返す。
不意打ちには慣れない私は頰を赤らめて、光希を睨みつける。
そんな私に可笑しそうに笑う光希は「ごめんご〜」と軽く謝る。
「冗談に決まってるでしょ?ツキをからかうのが楽しいんだもん」
「あんまりしないでよ……」
「ふふ、はーい」
その後ふたり分の注文を聞いた光希は、カウンターの向こうで調理を始めた。