双星の煌めきは月夜に魅せられて
あまりの天使さに思わず私は、なずなの頭に手を伸ばして撫で始めた。
「はあ、可愛い……」
「月那ちゃんも可愛いよ……?」
「うん、ありがとう」
なずなは優しいからきっとお世辞を言ってるんだろうな。
なんて思いながら、にこにこ笑顔を向ける。
「あ、可愛いといえば。こないだ月那の可愛いところを見たんだよね〜!」
「なになに!?月那ちゃん自分のこと話してくれないから気になる!」
「ちょっと料理のレパートリー増やしたくて本屋に行ったんだけど、その時に月那がいてさ」
私はそれのどこが可愛いのかよくわからないから、耳を傾けるのをやめ、カフェラテを飲む。
だいたい。私が本屋に行く頻度が高すぎて、どの日のことを言ってるのか全く見当がつかない。
「でさ、月那 何読んだと思う?」
「え、少女漫画とか?」
あー、残念。少女漫画はスマートフォンの無料アプリとかで読んでるタイプですわ。
口に出せばいいものの、カフェオレを飲む動作を終えることがない。