双星の煌めきは月夜に魅せられて

「あ、惜しい!正解は……」



惜しいって……少女漫画は恋愛系だから、そういうので読んだのって……あ。


待てよ……それはもしかして……



「だめだめ!言っちゃだめ!!」


「"これで気になるカレを撃ち抜いちゃえ!初心者向け最強モテテクニック!"」


「「……」」



……言われてしまった。


あああ、光希も一応近くにいるのになんてこと言うの。


からかうのが好きとかいう光希なら、この後もこのネタでからかわれるに違いない。



恥ずかしさのあまり沸騰してしまった私は机に伏せてしまう。



「恋する乙女って本当に可愛いね……!」


「だって、仕方ないじゃない!初めてだし、相手が難攻不落すぎるし!」



恋愛心理学とか恋愛小説はそれなりに読んできて、恋とはどういうものなのかは理解している。


だけど、いざ分かったところで優生を振り向かせる方法やテクニックが分からないのだ。


開き直った私は伏せた顔を右に向けて、窓から遠くを見つめた。
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