双星の煌めきは月夜に魅せられて
「どんだけ優生が好きなのよ。本当に可愛いね」
「……」
まだ優生に想われてる胡桃が羨ましいけど、胡桃は何も悪くないので、口をつぐむ。
優生と朔夜はちゃんと喧嘩して解決したし、朔夜と胡桃はもう浮気ではなく真剣な交際をしている。
そこに私が片想いという名前で介入してるだけなので、誰が悪いとかそういうものはない。
しかし、乙女の恋心はとても面倒くさいもので、少しの思考だけではどうにもならないのだ。
「ねえねえ、月那ちゃんはいつから優生くんのことが好きなんだっけ?」
「3年前」
「3年も経ってるなら、色々しんどいところとかないの?」
なずなは寄り添ってくれるような、母性を包むような空気を出して、私に聞く。
しんどいことは何度も味わった。
だけど、それでも好きだという想いは色褪せることなく、ずっと胸に秘めたままだ。
「しんどいのも、結局すぐ嬉しくなっちゃうから嫌だよね、恋って」
「……本当に月那ちゃんって変わったね。なんかね、柔らかくなってもっと可愛くなった」
なずなのお世辞攻撃も本日2度目なので、軽く受け流すことができた。