双星の煌めきは月夜に魅せられて

「どんだけ優生が好きなのよ。本当に可愛いね」


「……」



まだ優生に想われてる胡桃が羨ましいけど、胡桃は何も悪くないので、口をつぐむ。


優生と朔夜はちゃんと喧嘩して解決したし、朔夜と胡桃はもう浮気ではなく真剣な交際をしている。


そこに私が片想いという名前で介入してるだけなので、誰が悪いとかそういうものはない。


しかし、乙女の恋心はとても面倒くさいもので、少しの思考だけではどうにもならないのだ。



「ねえねえ、月那ちゃんはいつから優生くんのことが好きなんだっけ?」


「3年前」


「3年も経ってるなら、色々しんどいところとかないの?」



なずなは寄り添ってくれるような、母性を包むような空気を出して、私に聞く。


しんどいことは何度も味わった。


だけど、それでも好きだという想いは色褪せることなく、ずっと胸に秘めたままだ。



「しんどいのも、結局すぐ嬉しくなっちゃうから嫌だよね、恋って」


「……本当に月那ちゃんって変わったね。なんかね、柔らかくなってもっと可愛くなった」



なずなのお世辞攻撃も本日2度目なので、軽く受け流すことができた。
< 311 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop