双星の煌めきは月夜に魅せられて

「わかんないところがあってどうしようだって」


「……なんでわざわざ私に聞くのかな」



優生はクールな風貌だから、対照的にうるさそうな友達がいそうなイメージである。


とはいえ、わからないところがあるなら友達に聞くのがベターであって、私では不適合者だ。



確かに過去にも朔夜と同じように、わからない問題を何度か質問されたことがある。


一緒にいられるのは小さな幸せだけど、


だからとはいえ、それを習慣化にしてほしくないというのが私の望みだった。



私が都合のいい女になっちゃうから。


優生に便利屋だとか思われたくないから。


私は優生に……女の子だって意識してほしいんだ。



「月那の頭の良さが異常だからだよ。あそこの大学蹴ったとか、天才しかできないからな」



とりあえず国内最難関の大学には受験して合格したが、蹴って違う大学に行ったからな。


優生の友人の頭脳と私のとでは格差があるとでも言いたいのだろうか。


まあ、私の方が上なのは何も考えなくてもわかることなのだけれど。
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