双星の煌めきは月夜に魅せられて

「……もう!優生のバカ!!」



たまらなくなって、私は家の中で嘆いた。


優生は私の好意に気づいてこんなことしてるの?


いや、それに限ってはありえないよね。



「あそこまで鈍感なのも珍しいよな」


「本当だよ」



私の好意の示し方は、他の人と優生とで極端に変えている。


私がわざわざ言わなくても、なずなや胡桃は当然のように理解していた程だ。


彼が鈍感なのは周知の事実である。



「月那から連絡すればいいのに。いつもしてるんじゃなかったの?」


「今は、押して引いてるの」


「へえ……大変だな」



引いても、何も連絡が取れないなら脈はなさそうだよね。


本当に、恋って勉強よりも難しいわ。


優生は今頃何してるんだろう。
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