双星の煌めきは月夜に魅せられて
ああ、これは間違いない。
コイツら相当強い……きっとどこかの暴走族の幹部達だ。
とはいえ、せいぜい俺と互角という程度か。
だが今までの人と比べたら、格段にコイツらが強いのは見て分かった。
「お前、何者だ?」
「……君たちこそ何者なの?」
強い故か、お互いに同じことを考えていたのだろう。
強い人を前なのに平然としすぎている俺を不審そうに眺めた4人達。
しかし、4人は何も口にすることはなかった。
「……」
『何も喋らないわね。あいつら。
秘密にでもしたいのか……もしかして桜蘭?』
「桜蘭?」
俺は月那の言葉に反応してしまった。
そしてそこの4人も俺の桜蘭という言葉にビクッとわずかな反応を示した。
「──そうか、桜蘭なのか」
早速訪れた好機に口角を上げずにはいられなかった。