双星の煌めきは月夜に魅せられて
「君ら幹部だろ、桜蘭の」
「お前、どこまで知ってる……?」
コイツだ、コイツが多分総長だ。
左から2番目のヤツから他の3人とは違う異質なオーラを感じる。
月明かりに照らされた綺麗な黒髪、吊り上がった大きな瞳から硬派な印象を与える。
「幹部の顔つきとこの場所を世間に明かされたくないだろう。だったら、俺を使えばいい。
そうしたら俺をいつでも監視できるし、俺は桜蘭に入れるし一石二鳥ってもんだ」
「何が目的だ」
「俺は桜蘭に興味があるだけ。それじゃダメか?」
「いや、それが人間のサガというヤツだろう」
総長らしき人が冷静に問いかけるので、ますます硬派なイメージが俺の中で大きくなる。
そんな人がフッと企むような笑みを浮かべるのだから、男の俺でもドキッとしてしまう。
へえ、流石は総長、笑みが様になってるじゃん。
「……良いだろう、確かにその方が俺達の都合がいい」
「おい、優生まじで言ってんのかよ!?」
「ああ、面白そうだ」