双星の煌めきは月夜に魅せられて
『桜蘭の倉庫、思ったより大きいでしょ?
俺は主に情報収集を担当しているんだ』
そして残る1人はアイツだ。
「茶髪の幹部──及川 千尋(オイカワ チヒロ)はもしかしたら味方かもしれない。まだ断言できないから何も言えないけど」
「及川 千尋……なずなに聞いてみるのもアリね。味方ってことはなずなを裏切り者だと思っていないってこと?」
「そういうことになるな」
あの眼、声色からすれば間違いないが、油断大敵だ。
なずなを傷つけたヤツは絶対に許さない……。
全てはこのためから始めたのだが、俺はいつからだっただろうか。
気づいた時にはもう既に手遅れで。
──俺は……