双星の煌めきは月夜に魅せられて






「多分、難しい。まだ姫の顔見てないんだ」


「え、毎日行ってるのに?」



最近の朝ご飯では朔夜の現状報告が日課になりつつある。


朔夜も相変わらず、髪がボサボサだ。


双子だからこそ知っているが、朔夜の瞳は透き通っていてとても綺麗なのだ。


もったいない……切っちゃえばいいのに。



「いくら強くても完璧には信用できないから下っ端からだよ」


「そこは手強いんだね」



朔夜の実力からいけば幹部じゃなくて、いっそ総長やれそうなのに。


とはいえ、秘密主義の桜蘭の内情が知れるのはとてもありがたい。



「見た感じだとまだ誰もクスリには染まってないし、吸引後の独特の臭いもない」


「まだそこまで手を出してないんだね」



麻薬の密売。


谷口組組長が三村胡桃使ってまで桜蘭を傘下にしたいというのであれば、桜蘭の人に密売する話はそう遠くはない。

< 44 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop