双星の煌めきは月夜に魅せられて
桜蘭の内部情報が分かるのは嬉しいが、それで喜んでたら手遅れになってしまう。
まだ姫の顔を知らないとは結構痛手だ。
目的は姫である橋本エレナ──いや、三村胡桃ただ1人なのだから。
「月那。1つ提案」
だいたい予想はできる。
きっと私も桜蘭に潜入というところだろうか。
自慢のIQ200の頭脳を少しだけ考えて、勝手に結論に至らせる。
ま、どうせそうだろうよ。
「桜蘭に入って欲しい」
「幹部の内情を知るためには、今は姫が1番手っ取り早いからね」
朝ご飯を綺麗に平らげた朔夜はこくんと頷いた。
本当、朝とか学校だと口数が極端に減るし、口調も変わるし、朔夜も大変だな。
「分かった。でも、作戦考えるから少しだけ待ってて」
「ん、待ってる」
私もちょうど食べ終えたので、朔夜と一緒に学校へ向かった。