双星の煌めきは月夜に魅せられて


八方美人という言葉もあるけれど、それは誰からも悪く思われないようにという意味であって月那の場合は当てはまらない。


月那は俺となずなのためなら悪者にだってなれる確信があるからだ。


おそらく月那は桜蘭と仲良くなって、挙げ句の果てに裏切る。



──三村胡桃を捕まえるため。



そのための道具でしか桜蘭を見れてないと思う。


俺と違ってあまりにも理性的すぎるから、感情のこもってない容赦ない行動しかしないのだ。



「よお朔夜、コンビニでコーラ買っていこ〜」


「別に良いけど」



桜蘭の下っ端と一緒に倉庫から出る時、俺は月那と光希を横目に見ていた。



「朔夜の妹ってあの進学校だろ?」


「うん、まあ」


「双子揃ってなんか想像できねえな。妹とかギャルすぎるし、おめーは根暗すぎるし」


「俺そこまで根暗か?」



髪はボサボサだけど、桜蘭にいる時はなるべく口数増やしてるからそこまでじゃないと信じたい。


まあ、家とか学校だったら根暗なのは頷けるけど。

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