双星の煌めきは月夜に魅せられて


コイツが橋本エレナ──


資料として渡された写真と一緒の風貌をしていて、三村胡桃と橋本エレナで分けてはいないようだ。



「知ってると思いますが、服部朔夜です。
そこの月那の双子の兄です」


「もう敬語じゃなくてもいいのに。せっかくだからもっと気軽に接してほしいな」


「……じゃあ、よろしく」


「うん、よろしくね!」



交わした手は離され、エレナは優生の元へ戻った。


そういえば……優生とエレナは付き合ってるんだったっけ。


出会って間もない頃に優生にそう聞いた気がする。



「ほんとオメーら仲良いよな、羨ましいぜ」



呆れたように呟く凛太郎を見て、俺はちょっとした疑問が生まれた。


優生はエレナの正体を知ってるのだろうか。


もしイエスなら優生も犯罪に関わっているということにもなるはずだが……。


いくらクスリに手を染めてないといっても、犯罪者を庇う行為は罪に問われてしまう。

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