双星の煌めきは月夜に魅せられて






公園で暇を潰して、気分が落ち着いてきたら倉庫に戻るのが最近の俺の日課。


普段はあまり喋らないので、桜蘭にいるときはかなりの労力が必要なのだ。



「おかえり朔夜。もう月那が帰るみたいだからついでに送ってやれ」


「了解っす」



俺を見た月那はエレナに「今度いつ会える?」と親しげに話しかける。


話がまとまれば、月那はそそくさ俺の方へやってきた。



「毎度悪いね、お願いします」


「ん、平気」



不自然にならない程度に素に戻して、俺達は桜蘭を後にした。


月那が桜蘭に入ってからはこんな日々が続く。


そして今回も月那はあらゆる情報を持って帰った。



「エレナが通ってる学校はM市の不良高でも有名なところだったわ。ちょっと調べてみる」


「調べるって?」


「本当にエレナがそこに通っているのかってこと。通ってなかったらそれをパパに報告よ」



もう流石すぎる……俺いる意味あるのか?

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