双星の煌めきは月夜に魅せられて
「朔夜がいなきゃここまで来れなかったんだから。
本当に感謝してるわ」
「それなら良かった……」
まただ、月那の性格が変わってる。
明るい時もあれば今みたいに大人っぽい話し方をする。
気分によって変わる時もあるのに、それがどっちの月那か分からない。
……少なくとも俺は『これが本当の月那』と心から思えたことが一度もないのだ。
「あ、そういえば桜蘭って暴走はやるみたいよ」
「え、秘密主義なのに?」
「変な話よね」
幹部も含め、桜蘭のメンバーがバイクに乗った姿を未だに見てない。
バイクで暴走する姿が全くイメージできない。
「私は車で総長と一緒にいるみたいだけど」
「エレナは?」
「あの子は用事で行けないそうよ」
エレナがあまり倉庫に行かない理由はなんだろう。