双星の煌めきは月夜に魅せられて
「これ話しちゃってもいいのかな……?」
それでもどこか嬉しそうななずなに俺は可愛いと頬を緩みながら見守る。
「実はね……好きな人と今度デートに行くことになったの」
「「え……」」
頭を殴られたような衝撃が全身を貫いた。
あまりのことでまともな相槌を打てない。
好きな人ができたの?
それっていつから……?
しかもデートって、付き合うのも時間の問題ではないか。
疑問とショックと様々な感情が頭の中を駆け巡り、俺は立ち尽くすことしかできなかった。
「いつの間に好きな人ができたの!?
しかもデートって相手は誰なのよ〜!」
一瞬俺を心配そうに見ながらも気を取り直して、月那はなずなをからかうように肘でツンツンした。
今は月那に任せよう、俺は何も考えたくない。
おかげさまで俺は授業に集中することができなかったのだ。