双星の煌めきは月夜に魅せられて






そんな状態で暴走の日を迎えた。



「テメーら、準備いいか!?」


「「はい!!」」



凛太郎の掛け声に大きな声で応えた桜蘭達。


俺は月那と目を合わせて頷いたら、隙を狙って静かに倉庫を抜け出した。


橋本エレナがここにやって来るのは不定期だが、ここのところは3日に1度の頻度だ。


今日も暴走前に顔を覗きにやって来たソイツは、胡散臭い笑顔を撒き散らして去って行った。


外に出てソイツを追いながらも、考えてることはなずなのことだった。


今日は休日でもあって、なずなのデートの日でもあるのだ。



『あんた、これからどうするの?』



どこか姉貴面の月那に俺は『何もしない、ただ見守るだけでいい』とあの後答えた。


まだなずなとその相手は付き合ってないみたいだけど、それも時間の問題。


好意を伝えることがなずなを困らせてしまうのであれば、何もしないのが1番だ。



「……って今は任務!」



一旦立ち止まって頭を切り替えたら、俺はスマホを確認して再び走り出した。

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