双星の煌めきは月夜に魅せられて


月那が小型の装置をこそっと橋本エレナにつけてくれたので、俺のスマホにソイツの居場所が分かるようになっている。


よし、ここからそんなに離れてない。


それにスマホによれば橋本エレナはどんどん人気の少ない場所へ向かっている。


地図で示された場所あたりには住宅地などないので、これは俺達の予想通りだといってもいいかもしれない。


そうと決まれば早速行こう。



夜が段々と深まっていく中、アイツの動きが止まった。


繁華街の外れにある人気のないところだ。


今から走れば数分でつくだろう、善は急げって言うし全力で走ろう。



「───だから」



目的地に近づいてくると、話し声が聞こえてきた。


聞いたことある声とそうじゃない声。


だけど、すぐそこに橋本エレナがいるというのは分かった。


俺は聞く耳立てて、慎重に近づく。



「じゃあお金くれよ」


「今渡すからまってて」


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