双星の煌めきは月夜に魅せられて


橋本エレナは封筒を取り出した。


封を開け、中身を目を凝らしてよく見つめる。



「……!」



あれって札束……!?


じゃあ、相手が持ってるのって……間違いない。


──クスリだ。



本当にクスリ使ってたんだ、あんなに若い人が。


それまで月夜として活動してきて何度もこういう取引現場は見てきた。


若くても捜査対象が大学生だったのに、それも上回る女子高生。


1個年上とはいえ、なずなのようなか弱い女と同じ職分でクスリに頼らないと生きていけなくなったなんて……あまりにも哀れだ。



今はまだ所持してないから橋本エレナはできないが、せめて売人だけでも逮捕しよう。


それに橋本エレナは泳がせるみたいだからな。


今はその瞬間ではないだろう。



「エレナさん……?」



偶然を装って、俺は悠々とエレナに近づく。

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