双星の煌めきは月夜に魅せられて
月は味わう
<月那side>
朔夜がこっそり抜け出した後、私は総長である優生の隣にいた。
先日のなずなによるリア充予備軍宣言。
あれにやられて捜査に支障が出なきゃいいんだけど、本当に朔夜のヤツは大丈夫なのか?
「……月那は車に乗れ。俺も時間までは車だから」
「了解」
車は普通の乗用車なのね、倉庫の大きさ的にはリムジンでも納得なのに。
優生は用事があるようなので、一足先に1人で車に乗り込んだ。
「月那さん、話すの初めてっすよね?
今回、運転させていただくんでよろしくっす」
「お、よろしく〜!ねえねえ、暴走初めてなんだけど、どんな感じなの?」
「もうそりゃあすごいっすよ!
きっと月那さんも気にいると思いますよ」
すごいって……そもそも桜蘭の秘密主義を守るためにも暴走なんか要らないと思うんだけど。
なんでわざわざリスクが高いことをやるんだ。
「遅くなった、悪い」
「おかえり〜!いつ頃始まるの?」