恋文。<短編>


『母さん、こいつ優しくしたら調子にのるよ。』


タカシが起きる。



な~に起きて早々

余計なこと

言ってんだよバカッ(怒)



お母さんが

少し困った顔で笑ってる。


あたしももちろん

笑うしかない。


『じゃあ、帰るわね。顔見に来ただけだから。』


って

お母さんが立ち上がった。



えっ!

どうしようっ!



あ、とりあえず

お見送りに行かねば!!


お母さんを追いかけて

廊下に出ると

お母さんが振り返って


『アヤちゃん、タカシをよろしくね。』

って微笑んだ。



『あ、はいっ!!』



あ、緊張して

今あたし超

声デカくなかった?



あたしの声に驚いた

看護婦さんが

振り返って

こっちを見てる‥





やばい‥

下品な女だって
お母さんに思われたんじゃ‥



せっかく

いい感じだったのに‥





だけど

お母さんは

また微笑んで

またね、

って帰って行った。

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