恋文。<短編>
家の前に着くと
ここ最近
あたしは毎日思い出す。
コクン コクンと
首を揺らしながら
ここに座っていたタカシの姿を。
タカシに初めて恋をした
あの日のことを。
今日も思い出して
顔が緩む。
~♪♪♪~
携帯が鳴る。
あ、タカシから返事かな?
だけど‥
-着信:お母さん(タカシ)-
あれ?
さっき番号交換した
ばっかりなのに
さっそく電話がかかってきた!!
ピッ
『もしも~し?お母さ~ん?』
『アヤちゃん‥』
お母さんが
泣いていた。
‥‥
‥‥
‥‥
誰よりも
素直じゃなくて
不器用で
照れ屋な
あたしの恋人‥
世界一
愛しい人‥
タカシが
死んだ