恋文。<短編>


『アヤちゃん‥これ‥』


お母さんが差し出したのは

開いたままの

タカシの携帯。



涙でぼやける目を

開いて

画面を見ると



作成中のメール画面。







そこには

未送信のまま

持ち主を失った

あたし宛てのメール。






宛先:アヤ

<俺も、お前のカレシでよかった。>




そして最後に





<好きだよ。>



と。











あたしは

声をあげて

泣き続けた。


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