秘密の抱き枕
第5章「好意か否か」
-鳴side-

「ん……あれ、寝ちゃったのか…」

あれ、布団…いつの間に……ん?きーくん…?

帰ってきてたんだ。……やっぱり、かわいいなぁ。

「早く僕を好きになってくれないかなぁ……」

そう言ってきーくんにも布団をかけてあげ、きーくんの背中にそっと腕をのばし、僕はもう一度夢の中へと落ちていった。



ん………あれ、ここは……

「あ、きーくん起きたんだ。おはよ~。」

「おはよ……っ、ああ。俺寝ちゃってたんだった。」

まだしょぼしょぼするがやっと記憶が戻ってきた。そうだ。帰ってきてから鳴につられて寝てしまったんだった。

「きーくんお腹すいてる?今からでも良ければ夜ご飯作るけど。」

そう言う鳴。時計を見ると今は夜の9時半ごろ。
……今の時間に食べたら太りそうだな……

「いや、俺はそんなに腹減ってないからいいよ。鳴だけ食べな。」

ぎゅるるる~

うわあああああ!!なんでこんな時になるんだよ俺の腹の虫!!

「あはは。じゃあ作ってくるよ。キッチン借りるね~。」

「お、おう。頼む。」

鳴がキッチンへとルンルンで歩いていく。なんか新婚みたいだな……って何考えてんだ俺!!!

なんやかんや考えていると。包丁で何かを切る音が聞こえてくる。

そういって包丁のいいリズムを聞いていると、また眠くなってきてしまい……そうして俺は再び夢の中に落ちていった。
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