秘密の抱き枕
鼻にかかるいい匂いで目が覚める。ゆっくりと瞼をあげるとテーブルには丼がふたつ並べられていた。

寝起きで重い体を起こし、改めてテーブルを見ると、丼の中身はシチューだった。

「美味しそう……」

「さっ!食べよ食べよ!!」

「『いただきます!』」

そう言って俺は早速スプーンを持ち、シチューをすくい、口に入れる。

口の中でとろけたシチューは、甘くて、濃厚で。いままで食べたことがないと言っていい程美味しかった。

「うまっ!!お前やっぱすげえな!」

「えへへ~」

そう言って恥ずかしそうにして笑う鳴を横目に俺は食べ続ける。



「ご馳走様!美味しかった~。久しぶりにまともな飯食べたよw」

「え~、きーくんいままで何食べてたの?」

「ん~料理しようとかは思わなかったからコンビニとか外食で済ませてたな~。」

「うわ。きーくん金持ちだ。そんな生活してたら太っちゃうよ?」

「………筋トレしてるもん。」

「頬膨らましてるきーくんも可愛いね。えい。」

そう言ってつんつん頬をつついてくる。

「やめろやめろ、シチューが食えねぇ。」

「きーくんそれそんなに気に入ってくれたの?なんか嬉しいな〜」

そんなに喜ぶことなのか?このシチューめっちゃ美味いのに。

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