秘密の抱き枕
第3章「買い物」
「きーくーん。一緒に買い物行かない~?」

きーくんは机に向かって勉強していた、僕が声をかけると、振り向いた。

「っ……!」

「鳴?どうしたの?」

振り返ったきーくんは黒縁のメガネをしていた。

「メガネ………」

「ん?ああ。普段はコンタクトなんだけど、つけるのめんどうだしコンタクトは目が疲れやすいからな。家と学校ではだいたいメガネをしてるな。」

「そう、なんだ……。」

「どうかしたの?」

「いや、きーくんがかっこよすぎて…惚れそう……。」

「何言ってんの?」

真顔で見つめてくるきーくん。やっぱりかっこいいなぁ……と、ふとそんなことを思ってしまう。

「ううん。あ、そうだ、きーくん。買い物行きたいんだけど、一緒に行かない?」

「ん?ああ。確か今日はスーパーで安売りしてたからそこ行くぞ。買いだめしとかないと冷蔵庫が殻になる。」

「ほぼ何も無かったもんね!!」

きーくんの冷蔵庫にはたまごとベーコンしかなかった。それ以外はほんとうに何も無い状態。きーくんはどうやって生きてたのだろうか。

「あはは……。よっしゃ鳴!行くぞ!!!」

なぜきーくんはそんなに生き生きしているのだろうか。

きっときーくんは安売りが好きなんだろうなと勝手にそう思うことにした。
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