愛逢月にレモネードを。
第一章 ─転校生と生徒会長─
2019年4月
「やばいやばいやばい!!!!」
抱きかかえていた目覚まし時計を枕に投げつけ、大慌てで制服に着替え階段を駆け下りる。
「お母さん!!!なんで起こしてくれなかったの!!!」
「なんでって…起こしたわよ何度も」
「間に合わないよ、もー!」
母に愚痴を溢しながら、置いてあったお弁当を包みスクールカバンに放り込む。
玄関の鏡で前髪を整えて、
「いってきます!!!」
ローファーのかかとを踏んづけたまま家を飛び出した。