†戦慄の交響曲†
本部には、武器をたくさん作っている樹里と海斗が居た。



そして、パソコンを目の前に座っている大輝がいた。




「今年の生贄が最後の糧となる・・・魔力が上がり・・・」




呟く沙羅に気付いたのか、大輝が近づいてくる。




「沙羅?お前、まだ学校じゃないのか?」



「出てきたよ。結構・・・腹が立ってね」



笑っているハズなのに・・・笑ってない。



「沙羅?」



「嫁入りが決まった」


そう言い、大輝の座っていた椅子に座り、パソコンと向き合う。



「誰になったんだ?」


海斗が聞くと、沙羅はパソコンに何かを打ちながら



「久遠 悠里。誰だか分かるよな?」



悠里の名前は結構広まっている。



「癒しの姫だろ?」



癒しの姫。ソレは悠里の別称。



「うん。悠里が嫁入りだ」



パソコンを打つ音だけが、部屋に響いた。



「ヤッパリな・・・霊力の持つ娘を生贄にしてきたんだ・・・今夜が復活かな」



ため息をつく沙羅。



「どういう事だ?」



大輝の言葉の返事に驚愕した。
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