†戦慄の交響曲†
「秋冷さん?沙羅は・・・?」



悠里は秋冷が戻ってきたことに驚きと嬉しさが混ざっていた。



「ああ。片づけをしてから来るってさ」



秋冷は悠里に自らが着ていたコートを悠里の肩にかける。



だが、樹里と朔夜が辺りを見回していた。



「なぁ・・・樹里。沙羅は土御門を騙してたと思うか?」


朔夜は樹里に話しかけると



「分からないけど・・・さっきから・・・落ち着かないのよ。水の精霊が」


樹里の能力のである水の精霊召喚で、水の精霊が落ち着かないのだとか。



「そういや・・・風も・・・炎も・・・地も落ち着いてないな」



朔夜の能力である風の精霊召喚で、精霊たちを見ているのか遠い目で返事をした。




「それはな。沙羅が一人で山を下ったからだ」


秋冷が悠里の髪を撫でながら言う。



「何故!?止めなかったの!!」



芽衣が怒鳴ったが、秋冷は落ち着いて



「止めても、動くよアイツは。そーいう奴だったからな」



秋冷が悠里の髪を撫ぜるのを止めて山を下りだした。



次々に、人が山を下っていく。





神殿には。


紅い血が落ちて・・・木々が倒れていた。







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