†戦慄の交響曲†
「そんな、直人を愛しく思った」
                        
未来は、一旦話を切った。


「・・・子供に聞かせる話では無いですね。
自分で聞いていて・・・」



沙羅は、苦笑しながら言った。


「ハハハ、兄さんは沙羅に何て言いったんだろうな」


黒い笑みを浮かべる直人。



だが、沙羅は固まる。



「か、母様?と、父様? あの、今何歳ですか?」


すると、直人に


「ん?何歳に見える?」


っと、質問返しされる。



「え~っと、33?」


直人が沙羅の頭を撫でて


「ピーンポーン♪正解」


言った。


「つまり、19歳で生んでるのよ」


そう言って、抱き着く未来に沙羅は思った。


――私が2歳の時って・・・まだ21だよね?隠居もしないから・・・



「沙羅が2歳の時にね?
3つの長期任務を一気に、言い渡されてね、沙羅を預けた訳よ」


未来の言葉を直人が


「本家に、預けたんだ。それで、任務が案外長引いて5年前に日本に戻ってきたんだ。 それで、本家に沙羅を引き取りに行ったら・・・」



直人が黙った。


沙羅は、結構・・・頭がキレる。


「本家に、居なかった・・・かぁ~」


フフと笑う沙羅が


「私、2歳で養女に行きましたから・・・」



告げ口した。


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