†戦慄の交響曲†
《土御門の一室では(秋冷の部屋)》



「沙羅は知ってたのか?」


大輝が俯きながら言う。



「ああ。お前らが全て言ってる事を直に聞いてたと思うよ」


紅燐が言う。



「でも・・・何なの?あの沙羅の殺気は・・・」



樹里が朔夜の服の裾を握る。



「凄かったな・・・あれは・・・流石は、直人さんと未来さんの娘だよ」


秋冷が言った。


「どう言う事?」


悠里が秋冷に聞く。



「俺は今、20歳だ。直人さん達とは13しか離れて無くてね・・・
直人さんは、霊力が物凄く高いんだ。親父は直人さんの2分の1ぐらいだろうね。
そんで、未来さんが・・・霊力で鎖を操るんだ。この霊力の高さは親父を少し上を行くんだ」


秋冷が簡潔にそして簡単に答えた。



「え?じゃあ・・・沙羅の母さんって・・・19ぐらいで産んでるのか?」



麗夜の言葉に、秋冷と紅燐が頷く。



「若いし・・・美人だし・・・カッコよかったし・・・」


芽衣が呟く。



突然、障子が開いた。



「・・・秋冷・・・少し良いか?」



幸也だ。


秋冷は幸也に呼ばれて・・・部屋を出た。


それから・・・秋冷は戻ってこなかった。



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