あの夏の君をさがす
①
音楽の力は無限大だ。私はそう思っている。沢山の作曲者がいて沢山のジャンルもあって、沢山の人が関わりあって一つの作品ができているのだから。
私はいま流行りのヴィジュアル系ロックバンドの曲を聴いている。
楽器からなる生音。
沢山の楽器と重なる歌声。
なんていいんだ。あのドラムのあのフレーズがすごくいい。このメロディー誰かと共有したい。
そう思っていたそ私はネットで話を共有する人を探した。
だって同じクラスの友達でヴィジュアル系の曲でもあり上がれる人いないから。
話題のSNSで友達探し。そんな中私の元へ一通の連絡が入った。
ヴィジュアル系が好き SNS上で家族になろうよ
家族?でも話せる友達ができそうだ。
私はそのグループに参加することにした。
某SNS内
緋奈乃【初めまして、よろしくおねがいします】
コウ【よろしくね〜】
花奏【女の子待ってたよー!よろしくねぇ〜】
燐【おう!よろしくな】
Kazu【緋奈乃よろしくな。ひなので読み方あってるよな?】
緋奈乃【あってます】
SNSを通して私を含む5人は全員近くに住んでいることが判明した。
グループは元々存在していたみたいだがあまり積極的に活動している様子ではなかったらしい。そんな最中私が加入したことでまた少し活動し始めたみたいだ。
でも誰も顔も声も知らない。
そう、これはSNS。
個人で連絡を取らなければ声を知ることすらないのだ。
ある日グループの中の一人kazuから個人的に連絡があった。
kazu【入ってくれてありがとな。よろしく】
緋奈乃【こちらこそ改めてよろしくおねがいします】
始めてだ。
個人で連絡が来たのは。
嬉しくていろいろなバンドの話をしてしまった。
私が好きなバンドの曲を彼も知っていて、つい話が盛り上がり時間を忘れてしまう。でもお互い学生。私はアルバイトと学業に専念していた。
そんなある日彼から電話しないかと、連絡があった。
私も話してみたいと思っていたので喜んで請けた。